マダガスカルで出逢った人々

アフリカ大陸の東、インド洋に浮かぶマダガスカル共和国。 この国は固有の珍しい動植物が多いことでも有名。 その中でも特異な樹形で知られるバオバブの木。 その不思議な魅力にひかれ、撮影したいとの強い思いでこの国を訪れた。まず向かったモロンダバには、 目を見張るようなバオバブの並木が私を迎えてくれた。並はずれた迫力に圧倒されていると通りすがりの 地元の人々が優しい笑顔でこちらを見ている。何か話しかけたいようだ、言葉は通じないが心は通じる、 カメラを向けても笑顔は消えない。素朴な人々との交流が楽しかった。 ここは朝日、夕日とも美しく今もその印象が強く残っている。 モロンダバの青空市場が開かれているところでは、地元の食材などがところ狭しと並べられ、 庶民の生活の息吹きが感じられ見て回るだけでも飽きることがない。そんな中赤ちゃんを抱いた若い母親の 前で思わず足が止まった。あどけない小さな瞳と見守る暖かい母親の眼差し、幸せを絵に描いたような光景だ。 かわいい帽子も良く似合う。後日、訪れた西海岸の眩しいばかりに白く輝いた砂浜で、 無邪気に裸で遊ぶ子供たちの汚れを知らない瞳と屈託のない笑顔、共に忘れることはないだろう。 沢山の幸せをお土産にもらったような旅だった。